香りから始まる恋はいかがですか?


俺は、
一世一代の告白をし、
全身が震えていた。

夏は男と付き合ったことがない、
と言い

自分は
俺にふさわしくない、
という様な言い方をする。

やんわり断ろうと
してんのか?

夏の気持ちが、
全く見えてこない。

着飾っていようと
いまいと、

俺は、あの電車の中でみた
夏の笑顔に惹かれてたんだ。

もう、必死で伝えたさ。

何度も
『彼女になってくれ、好きだ』
って、懇願した。

夏の気持ちは
まだ分からないけど、

夏は大泣きしながら
『俺の彼女』になってくれた。

『彼女』という存在が
こんなに嬉しいものか、

と噛みしめ

俺は、
夏の肩を抱きながら、

こんなに
泣いてしまう彼女をみて
嬉しさと
いろんな気持ちが混ざって、

あぁ・・・俺も、
もらい泣きしそうだ・・

あぁ、
これが恋なんだ・・と

実感する。

あまりに
彼女の泣いてる姿が可愛くて
思わず、おでこにキスをした。

『嫌だったら逃げろ』って
言ったわりに逃がさないように
してるなんて、俺は、ズルい。









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