妄想片想い寄りの女子。




「始岾…急にごめんな、」

いいんだよ、と頭を必死に左右へふる私

「始岾に告白されて、俺…まだ気持ちがはっきりしてなくてさ。
 始岾をふったのはいいけど、そのあと会話なくなってさ
 それでさ…気持ちがまとまったってゆうかさ…」

冴月は赤面になった顔を大きな手で隠していた

「俺、始岾のことが好きなんだよ」




「かなちゃん」

別の男の声が聞こえて私は、はっとした

また妄想してしまっていた

いい加減、治さないといけないよね


私の前にたっていたのは3年の先輩

田中 啓斗(タナカ ヒロト)先輩

バスケ部の部長をつとめていてエースだ

勉強はできないけど、運動ができて顔も整ってるから

生徒にはもちろん。女教師にもモテモテで人気がある

そんな人が私なんかに何のようだろう?

もしかして、告白?

そんなわけないよね

「好きなんだけど」

「へ?」

予想もしてなかった言葉…じゃなくて

私の妄想が現実になった瞬間だったから驚いた

おもわず、だらしない声だしちゃったよ

「冴月、呼んでくれてありがとな」

ああ、冴月くんはただの呼び人だったわけね

期待しちゃったじゃんか

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