魅惑な彼の策略にはまりました
「高原先輩は、うちの会社にいた時は、超肉食女子だったんだから!男が切れないって有名でぇ」


この声は、今日私をこの若い子集団の飲み会に誘った石田。
26歳、きゃりーリスペクト系女子。以前、番組制作会社にいた時の後輩だ。

悪い子じゃない。
今日だって、善意で『楽しい飲みなんですよぉ』と誘ってくれた。
でも、今、反論している声は半笑いだ。
ま、この空気で私をかばい続けるメリットはないわな。わかるよ、そこは。


「てか、石田、引き立て役のつもりで連れてきた?役不足だから、無理だから!」


役不足っていう言葉の意味を正しく使用しているならいいけれど、確実に間違ってるよね、この子。
悪口使用だもんね。はい、きみは馬鹿決定。


「センター分けボブとか、大人カワイイ狙ってんのかもしんないけどパサッパサですから!やっぱ、年齢出るよねー」


ぱさぱさ……。
私の髪ってぱさぱさなんだ。

くそう、悪かったわね。
あんたたちより、ちょっとばかり責任あるポジションにいるもんだから、忙しいのよ。寝不足や栄養の偏りでこうなんのよ。

確かに、リカバリが遅くなったっていうのは、年のせいだと感じてるけど。
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