魅惑な彼の策略にはまりました
「純日本人のお名前なんですが」


「そうだよ。本名、河村俊子。アネラの父親、スゲー日本贔屓らしい。アネラっつうのは本人がつけた芸名。ハワイ語で“天使”なんて、いかにもすぎるだろ?」


申し訳ないけど、ちょっと吹き出してしまいました。
ごめんなさい、アネラさん。


「俊子さん、いい名前なのにね」


「俺もそう思うけど、本人のイメージと違うんだろ?若者の考えはわからん」


宗十郎がジジくさく指でアゴをいじりながらうんうんと頷く。


「待って、ごまかしてるけど、コレは許さないからね」


私はシャツの下になったキスマークを指さし、宗十郎を置いてメイクルームを出た。
宗十郎は機嫌良さそうにひらひらと手を振っていた。

冷静をよそった私は、メイクルームを出た瞬間、へたり込みそうな眩暈を感じた。

心臓が速く動き過ぎて、苦しい。

なんなのよ、あいつ。
なんなのよ!



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