クレーマー
喧嘩
その後テスト返却が行われたものの、すでに自分のテストの点数に興味なんてなかった。


この無駄な時間をいかに工夫して使うと言う事を考え、テスト返却が行われている間ずっと教科書を読んでいた。


自分が点数を逃がした部分くらい、理解している。


この美や京一郎が敵だとたったの1点も逃す事はできない。


先生がすべてのテスト返却を終えて、1問めから順番に回答を説明している時、あたしはすでにテスト直しを終えていた。


「やっと終わったなぁ」


休憩時間に入り、明彦がホッとしたようにそう呟いたのが聞こえて来た。


「明彦、どうせお前も点数よかったんだろぉ?」


明彦と仲の良いクラスメートが声をかけている。


「俺? 五科目合計389点だけどなぁ」


「やっぱり、お前なんだかんだ言って勉強できるんだよなぁ」


五科目合計389点。


400点なかったの!?


今回のテストはそんなに難しい問題ではなかった。


明彦なら400点は取れると思っていたのに……。
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