御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

芝居だとわかっていても・・・・・

「お邪魔しま~~す」

友香と直美が時間ピッタリに来た。

「いつものあがお世話になってます」

鈴城君の挨拶する姿は本当の旦那様みたいで(紙ぺら夫婦なんで)

どきどきしちゃう。

友香はちらりと私の顔を見るとニヤリと笑い

「いいえ~こちらこそ。今日はのあがちゃんと奥さんやってるか見に来ちゃいました」と言うと

また私の顔をにやけた顔で見た。

まじか・・・大丈夫かな私、でも今日はラブラブな演出をしないと

いけないから本当の気持を隠さなくてもいいという事になる。

鈴城君に後で何か言われても『芝居だ』で押し通せばいいのだから。


リビングの3人掛けソファーに2人が座ると思った通り部屋をぐるりと見渡した。

「素敵なリビングですね~。やっぱり2人で選んだんです?」

私がキッチンでお茶の用意をしているから友香たちの質問に答えるのは

必然的に鈴城君になる。

だけど鈴城君は見た目も俳優さんみたいな顔立ちならば

演技も俳優並みに上手い。

「もちろん、2人で選んだよ。でも何がいいのかわからなくて随分悩んだよね?のあ~」

「う・・うん。2人で使うものだしね」

っておいおい、いきなり話をふらないでよ!

大体、このソファーは私がここに越して来た時からあったもので

選んでなどいない。

だけど彼女たちの質問に顔色一つ変えずに答える鈴城君は凄い
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