鏡の中のシンデレラ
なるべく優しく、笑顔で話しかけ、




手をさしのべた。




彼女を中心に事を進め、それでいて




王子としてのプライドを保ったまま。




*シンデレラ*
「はい。」




彼女は即答した。




彼女の家も、名前も知らない私にとって、




これは最初で最後の賭けだった。




シンデレラが来るか、来ないか、




断るか、断らないか。




そして、その賭けに私は勝った。
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