母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
生い立ちから、出会いまで
 あんなに好きだったあさひのことが、
今では、遠い昔の出来事。

 すぐ隣りにいるのに、二人の間には、
透明な薄いガラスで分けられて、
離れているよりもずっと、ずっと
寂しさを感じる。

 孤独

 私は独りぼっち。
周りからは、いつも一緒で仲が良いと、
羨ましがられるけれど、実際は心が通じ
合わない、赤の他人。

 ううん、通じあったと思ったのは、
出会った時からの、単なる私の勘違い。

 私が感じた優しさは、ただの思い違い。

 あさひという人間は、
本当は、誰よりも冷たい人。
 
 あの人は、誰も受け入れない、
心の底から冷えきった人。

 寂しい。

こんな寂しさがあるなんて、知らなかった。

2人でいるのに、寂しさが消えない。

2人でいるから、余計に寂しい。
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