母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 もちろん、私だって地図は読める。
小学校の社会の時間には、読めたはず。

 私は、地図を受け取って、周りの標識と、
地図を見比べた。

 けど、私が地図を見ながら指差すところは、
すべて、間違っていて、結局あさひは、

「わかった。
まあ、いいや。
努力は認めるよ」

 そう言うと軽く笑いながら、
地図をしまった。

「そんなこと言っても・・・」

 なんだか地図を理解できなかったことより、
あさひの自分に向けた笑い顔のほうが、
気になって、少し嬉しかった。

 あさひのアパートに帰ってくると、
そこには、ミチ君と寧子が待っていた。

 「お、なんだ二人乗りか!
使えねーな」

 ミチ君が、いきなりそう言うと、
あさひは、

「あそ」

 と、一言。

 なんとなく雰囲気が悪くなりそうな瞬間、
寧子が、

「これで、揃ったね」

 って言いながら、ふたりをバンバン叩いた。
ミチ君は、

「寧子ちゃん、痛いよ!」

 って、逃げたけど、あさひはされるがまま。
不思議そうに、寧子を見ていた。

 それに寧子が気が付いて、

「あ、ごめん」

 と、謝ったが、あさひは、

「別に」

 そう言って、笑った。
そしたら、いきなり寧子が、

「かわいい!」

 そう叫んだ。
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