ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~


納得いかない、とでも言いたげな顔こそするもののそれ以上綾瀬は口を開かなかった。


きっと、口を開けば溜まっている涙が溢れ出してしまうのだろう。


「告白されたんだから、自分に自信持てばいいのに。」


俺の言葉に、大きな目をさらに大きく見開いて驚いた顔をする綾瀬。


「……なんて、な。」


そう言って綾瀬から距離を取った俺は、カバンを手に取り教室の出口へ向かう。


…告白されても尚、綾瀬の控えめな考え方は変わらないらしいな。


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