【短編】マイ・スイート・ショコラホリック

「えへ。二年前のこと思い出してちょっと懐かしくなっちゃって」


ごめんね、と両手を合わせて謝る私をまたもや冷たく見る真央くんはこれでも一応私の彼氏。

忘れもしない。私達が出会ったのは、彼の通っていた専門学校だった。



────二年前。


私は、友人に連れられてある製菓専門学校が授業の一環として行ったイベントに参加した。

二月初めでバレンタインが近いということもあり、校内は赤やピンクを基調とし、バレンタインを意識した可愛らしい雰囲気。

学校は一般解放されていて、生徒達の作ったケーキやチョコレートを安い価格で食べられる。それを目当てに来る人が殆どである中、私達は少しだけ目的が違った。

専門学校には友人の弟がいて、私も友人もその弟くんを見るために来たようなものだった。

私と友人の二人だけは、ある意味参観日のような気持ちで臨んでいたのだけれど……



「────こ、このチョコレート作ったの誰⁉︎」


イベントも終盤に差し掛かっていた頃、事件は起きた。

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