龍神のとりこ
33.甘い時間
「風じゃなかったんだな。トーコだったんだ。」

ゆっくり上体を起こしたコハクはあぐらをかいてそこに座った。

トーコをひょいと自分のあぐらの上に載せた。


「身体、大丈夫?痛くない?」

もう傷もすっかりなくなった胸にそっとトーコの手が触れる。

「ああ。」

「変なところとか、ない?」
硬いところがないか、確かめるように腕に触れる。

「ふ、くすぐったいな。」


顔にも頭にも小さな手が触れる。

あんまりに見つめてくるから、、










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