龍神のとりこ
5.守りの代償
「お前は何かできるか?」

「『覚えてない』か?」

ゆっくりうなづくトーコ。

「ここは龍神と動物たちだけの世界だ。獰猛で、弱ければ喰われる世界だ。人間はいない。」

トーコは背中がぞくりとした。

コハクはトーコを見上げた。
「さっき約束した、帰り方がわかるまで守ってやる。そばにいろ。」

ふいに見せられる笑顔。

「それに、」
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