恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
「プロポーズしてもらった時から決まってましたから」


「そっか」


堀北さんが封筒を受け取り鞄にしまって、微笑みを返してきた。


「おめでとう、須藤」


「ありがとうございます」


「にしてもアレだよなあ。まさか先輩と須藤がねえ」


「どういう意味ですか」


「だって片方は自由奔放で、片方は完璧主義っていう? 意外な組み合わせが奇抜でさあ」


「なんか……けなされてる気がする」


「違うって! そんな怖い目で見るなよ」


その夜、帰宅するなり海斗に返事を書いた。


数日後、海斗から返事が届き、何度かの手紙のやりとりを経て8月6日の夜7時に、都内のリーズナブルなレストランで食事をすることにした。


そして1ヶ月は足早に過ぎ、その日がやってきた。






< 94 / 223 >

この作品をシェア

pagetop