蝉鳴く季節に…
「……ありがと」






一言じゃ足りないってわかってるんだけど…。

今の私は、これ以上の感謝の言葉を知らなくて。

自分の無知さに少しだけ悔しくなって…また、涙が止まらなくなってた。









「やだもう、何言ってんの!この子は」

「マジ貰い泣きしそうだからやめてよ〜」







梨絵が本当に泣きそうな顔で、私を覗き込んできた。



その梨絵の表情に、泣きながら笑いが込み上げてきて、思わず泣き笑い。






嬉しい、嬉しいよ。
















杉山くん、杉山くん。



早く伝えたいよ。

この嬉しさを、一番に伝えたいよ。




小さな変化は、やがて大きな変化になる……杉山くんが言った通りだった。






積み重ねが大事って、笑って教えてくれたよね?




早く伝えたい。

うまく伝えられないとは思うけど、今自分が知っている言葉をかき集めて、たくさんたくさん伝えたいんだ。















ね、杉山くん。



あの時の私は、自分の溢れる嬉しさばかりに気をとられていて…だからその反動で、予想外のあなたの気持ちに気付けなかったのかな?




あなたを通り越して、私は自分の心を見ないふりする事を優先してしまったんだ。








自分を信じる様に、相手も信じなきゃいけなかったのにね?




信じていれば、会えない時間を増やさずに済んだ。









これは今でも、私の後悔の一つ。










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