蝉鳴く季節に…
杉山くん…。

話を反らしたがっているって感じたのは、私の思い違いなのかな。





心の中に、杉山くんの表情の変化に対する疑問が湧き上がっていたけれど、杉山くんが笑うから、私はそれを奥にしまい込んだ。








「梨絵と恭子と遊ぶよ?」

「何して?」

「映画に行ったり、あと海に行くよ」

「海?水谷やっぱビキニ?」

「…ワンピースがいいって思ったんだけど、梨絵達にダメだって言われて…ビキニ買わされたの」

「え!どんな?」

「小さな花がプリントされてる水色の…」

「うわぁ、見てぇ!」




はしゃいで笑う杉山くん。

何でビキニでそんなに盛り上がれるんだろ。






「水谷のビキニ姿、俺すげぇ見たい」

「嫌だよ!私スタイル良くないもんっ!恭子の方が見応えあるよ?」

「あ〜…あいつは中学ん時から大人っぽかったもんな。でもさ、俺は水谷の方が見てみたい」




……………はい?






「ななな何でっ?!」

「何でって言われても、見たいから見たいって言っただけ」




何でっ!
何でよ!

何で杉山くんはそういう事をサラリと言うのっ?



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