意地悪上司の笑顔の裏は。

「山上係長のせいで、明日から仕事しづらいんですけど」

回りくどく、恨みがましく訴えてみる。

本当にどうしよう。今はまだ軽口を叩いていられるけれど、明日からは顔も見れないかもしれない。さっきのことを思い出すだけで顔が熱っぽくなる。

「それは困ったな」

ちっとも困っていない風に笑う彼。元はといえばその笑顔が元凶なのに!

「俺と付き合えば、全部楽にしてあげるよ」
「だから、冗談はやめ」
「冗談って何のこと?」

私の言葉を遮って、山上係長は続けた。

「せっかく曽根川さんがフリーなのに、手を出さない方がおかしいでしょ」

いや、私まだフリーかどうか言ってませんてば!
何で決めつけるのかなー。当たっているだけに腹立たしい。上から目線だし。

< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop