黒薔薇
地下へ降りるにつれ、話し声が聞こえてきた。
正確に言えば話し声ではなく、それは意思疎通のできないただの声。
それは突き当たりの一つの扉から聞こえてきた。
原田さんが扉に手をかける。
「開けますよ」
原田さんも柳沢さんも、一度来たからなのか、刑事を長年やっているからか落ち着いていた。
柳沢さんが、先に頷く。
続いて僕も頷く。
でも、僕も不思議とクレイムは怖くなかった。
ただ、僕が怖いのは桜田に嫌われないかということだった。
ガチャ
静かに扉をあけるとそこは地獄絵図のようだった。