Blood honey



――――バンッ!!




「兄ちゃん!!」


「カナメ兄!!」



盛大な音を立てて入って来たのはイヴとソルディアだった。




「イヴ、静かに「黙ってなシルビア。」…え、」



「きっとあの子は辛いだろうから。」



私の言葉を遮って、ギルリアさんはそういった、とても辛そうな顔で。




「……うそ…
にい、ちゃん……


兄ちゃん!!」



「うそ、…嘘だ!
あんな強いカナメ兄が殺されるなんてっ…!」



お墓の前で嘘だと呟きながら、泣くイヴとソルディア。




「……ギルリアさん、イヴとソルディアってあんな感情的でしたっけ…?」



「あ、そうかお前らは知らないもんな。

イヴとカナメは兄妹で、ソルディアは幼なじみなんだ。」



ギルリアの発言に吃驚し過ぎて皆、言葉を失う。




「……ごめんなさいね、黙っていた訳じゃないんだけれど。
シルビアはイヴちゃんと仲良しだったものね。」



「あ、…いえ。
吃驚しただけですから。」


休んでから来たと言うのに、何処か窶れているマリアさん。




―――ダンッ!!




「……っざけんな…!
ふざけんなよ!!

てめえ、兄ちゃんと一緒に居たんだろ!?
なんで…!なんで兄ちゃんを助けなかったんだよ!!」



「…イヴちゃん…」



「あたしの名を気安く呼ぶな!!」



イヴはマリアさんを壁に追い詰めて、責め立てた。



「おい!やめろイヴ!!」


「放せ、グラジオラス!
わかってんのか!?
コイツは!この女は!

妻なのに夫を見捨ててきたんだぞ!!」



なんで許せるんだよ!!と泣き叫ぶイヴ。




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