Blood honey

希望等棄てたのだから

きっとまた苦しい事がおきてしまえば、

私は壊れてしまいそうだから

希望なんて持たない

羊水の海の底へと溺れて行く筈だったのに





「吾妻 悠ってんだ。
よろしくなシルビア!」



「………ハァ…。」


聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない!!



今から約一時間前……




「おはよーさん!シルビア!」


「はいはい。」


グラジオラス隊長の朝の挨拶を軽くスルーし、これから世話する子の元へ行く予定だった。




――――ドンッ!!



「Σきゃっ!?」


「Σうお!?」


たまたま、書類に目が行き注意散漫になっていたせいか、人にぶつかってしまった。




「あー、すみません。
大丈夫ですか?」


「あー、まー、平気。」


ぶつかった時、一応これでも幹部なので綺麗に受け身を取ったが、相手の男は見事に転んでいた。




「………見ない顔ですね、違う隊の方ですか?」


「いや?」


私は一応別名があるくらいなのでまぁまぁ有名なはずなのだが、この男の態度と顔で違う隊なのかと疑問が出来た。




「俺新入り。
お前誰だ?こんな物騒なとこに子供は来ちゃ駄目だぞ。」


「へえ、新入りねぇ………………


Σハァ!?新入りィ!?」

コイツがあの新入りか…
と言うか、礼儀のなってない男らしい。
一応私のが地位は上だし、年も私と同年のはずなんだが…

子供って言いやがったコイツ…。




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