貴方に恋をしました。
8月3日

ミーンミーンミーン。

蝉が鳴いている。

「んっ…。朝か」

時計を見ると7時30分

「起きるか!」

冷房をかけて、服と髪を整えた。

別に今日は何にもない日。

昨日の疲れはとれていて、ダルくはない。

だから…さ!

「暇なんですよ!!!」

課題も終わったし!

寝るしかないのか?!

「寝よう!」

ベットのうえに飛び込み横になってタオルケットをかぶせた。

・・・・

「寝れない!」

起き上がり

「何しよう。」

ピーポーン

「はーい。」

朝早くになんだろ?

朔夜「よっ!!」

「さ、朔夜?!!!」(大声)

びっくりした。

チュ

朔夜に口を塞がれてしまった。

朔夜「うるさいよ!」

「すみませんでした。取り敢えず上がって」

朔夜「お邪魔します。」

朔夜はかっこいい服きてた!

「珈琲でいい?」

朔夜「おう!」

コトン

マグカップに珈琲を入れ机に置いた。

「で?今日はなんか予定あったけ?」

朔夜「?!琉歌ちゃん覚えてないの?今日8月3日だよ?」

「ん?8月3日…。なんかあったけ?」

朔夜がため息をついた。

朔夜「今日は、琉歌の誕生日だろ?」

「あぁ!確かに!そうだね!」

朔夜「今から出掛けるぞ!」 

「ちょとまってて私、着替えてくるよ」

朔夜「その格好でいい。早く行くぞ」

手首を掴まれ黒の車で何処かに連れていかされた。

数十分後

朔夜「ついたぞ!」

「あ、はい。でも、ここ何処なの?」

車を降りてみると。

朔夜「俺の家だ。」

あ、お城だ。

凄く豪華なお家だ。

「すげぇな。」

朔夜「そうか?行くぞ」

手首を掴まれ連れていかされた。

扉を開けると綺麗な人がいた。

朔夜「俺の親だ」

お母さんとお父さんなの?!

「は、はじめまして!!夏目琉歌と申します。」

深くお辞儀をした。

・これから朔夜のお母さんを朔母。朔夜のお父さんを朔父。とします。

朔母「あら?頭を上げて?」

私は、頭を上げた。

朔母「あらっ?!可愛いお顔ね!私、ずっと女の子が欲しかったのよ。」

意外な言葉をかけられた。

朔父「本当だ。美人さんだな。」

「あ、ありがとうございます。」

朔母「どうぞ、上がって」

「はい。」

大きなソファに座った。

朔夜「お母様お父様。僕は彼女と結婚させて下さい。」

えっ?!

ピッピッピッ

朔夜「俺だ。ちょと失礼します。」

朔夜が部屋を出て行った。

朔母「琉歌さん。貴方心臓病らしいのね。」

「は、はい。」

朔母「あのね、朔夜貴方の事が本当に好きなの。もし貴方が亡くなったら朔夜どうなると思う?だからお付き合いも結婚もやめてほしいの。ごめんなさい。」

そん…な。
朔夜とバイバイなの?
でも、仕方ないよね。
確かにお母さんが言ってることは本当。
答えは1つしかないんだから。

「わ、分かりました。でも、もう少しだけ時間をくれませんか?」

目に涙が堪る。

朔母「わかったわ。」

「ごめんなさい。こんな顔安道くんには見せられませんので帰ります。あ、その事は安道くんには言わないで下さい。」

朔母「送っていくわ!」

「いいえ、大丈夫です。」

バタン

涙が溢れだして止まらない。

朔夜「琉歌!!」

さ、朔夜。いやもうこの呼び方は辞めよう。

「ん?なに?」

涙を止め返事をした。

朔夜「なんで帰ったの?」

「あぁ!ちょと用事ができちゃた。」

朔夜「そ、そうか。俺も付いて行く。」

「あ、大丈夫だよ。」

朔夜「いや、付いて行くよ」

「大丈夫だって言ってるでしょ!付いて来ないでよ!!」

心の中にためてたのが声に出てしまった。

「あ、ごめんなさい。本当に大丈夫だから。ありがとう」ニコッ

泣きたくて泣きたくてたまらなかったけど笑顔で言った。

安道に背を向けて帰った。

めっちゃくちゃに泣いた。

ピーポーン

誰?こんな時に…。

「?!」

そこには安道がいた。

「どうしたの?」

涙で堪えるので必死。

朔夜「いや、まださ!ケーキ食べてないじゃん?」ニコッ

「は…い?」

朔夜「せっかくさ、皆で食べようと思ったのに、琉歌帰っちゃうから!!」

「あ、ごめんなさい。」

朔夜「いいけど、上がっていい?」

「どうぞ」

私の部屋へと入っていった。

本当は泣きたいけど泣けない。だって安道がいるから。

朔夜「ねぇ?琉歌。どうしたの?いつもの琉歌じゃない。」

朔夜には何でもお見通しなのかな?

「いや?いつもの私だ…よ。」

朔夜「言って?」

「言ったって解決できないんだから言わないわ。」

朔夜「解決しなくても琉歌の心が今よりもっと軽くなるよ。だから言え。俺はお前の彼氏。俺がお前を守る。」

その言葉は暖かくて、少し冷たかった。

でも、もう言おう。

「安道。私と別れよ。」

この言葉は辛くて、怖くて、悲しかった。
でもこれは安道のためだから…。
私は、言うよ。

朔夜「あぁ、いいよ。別れよ。」

あぁ、私の事もう嫌いになったのか…。
そうだよね。私酷いこと何度もしたもんね。これは、振られて当然よ。安道の言葉で正解よ。 

でも、どうしてこんなにも…涙が溢れてくるのだろう。

耐えようとしても耐え切れない大粒の涙。

朔夜「って言う訳ないよ。俺は琉歌から振られても俺は琉歌を守る。だって俺は琉歌の全てが好きだから。」

ごめんなさい。朔夜のお父さんとお母さん。やっぱりこの人と別れるなんて絶対に無理です。私はこの人が大好きなんです。だから私が死ぬまで一緒にいさせて下さい。

「ごめんなさい。朔夜に…嘘つい…てた。」

朔夜「うん。」

「本当は朔夜のこと好きだよ。でも、私のここがあるから」

私は、心臓辺りの所を叩いた。

「朔夜のお母さんに言われたの。別れてって。」

朔夜「えっ?!」

朔夜が驚いてる。

「で、でもね。それは本当の事だったの。私が死んだらどう思う?って言われたの。私は…朔夜が悲しむから、笑顔にならないから私は…ね、別れよう。朔夜のためと私のために。って思ったの。」

朔夜「ねぇ、琉歌。俺のこと本当に好きか?」 

「好きだよ。」

朔夜「じゃぁ俺は別れるつもりなんてない。俺、琉歌のこと好きだから。好きな人と一緒にいる時間は楽しいだろ?でも、今別れて一緒に居られなくて一人で死ぬのはもっと悲しいし辛い。俺より琉歌の方がめっちゃくちゃ辛い。だから、別れるなんて言うなよ。見捨てる訳ないじゃん。俺の大事な彼女なんだから。」

温かい大粒の涙が溢れて止まらないよ。

「ありが…と」

朔夜「ほら、ケーキ食べようぜ!琉歌生クリーム嫌いって言ってたからアイスのケーキにしたんだ!早く食わないと溶けちゃう」

「そうだね!」


そのアイスは甘くてちょぴり冷たかった。でも…心は温かくて幸せでした。




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