好きって、伝えたら

⇒二人きりのクリスマス 前半




冬休みに入り、クリスマス当日を迎えた朝。


お揃いのニットに袖を通して、鏡の前で思わず笑が溢れた。


お揃いの服って…ものすごく恥ずかしいけど。

でも、二人で並んで歩く時の方が倍以上、恥ずかしいんじゃ…!?


うぅ…アタシにはハードルが高いって。


それに…

テーブルの上に置いた紙袋をみつめる。


お揃いのマグカップ…


三日前に紀衣に

「クリスマスプレゼント何にする!?」

と、聞かれたのだ。


クリスマスをどうでもいい日と認識していたアタシは、当然クリスマスプレゼントだなんて単語は頭になくって。


急遽、紀衣に買い物に付き添ってもらい、色々とプレゼントのアドバイスをもらいながら、なんとか無事に用意することができた。


でも、ラッピングの直前に気付いたのは二つ同じ箱だってことだ。


それを紀衣に聞くと

「それはあれだよ!!
夕空くんの家に置かせてもらうんだよ!」と。


紀衣に言われるがまま、同じ箱にマグカップが二つ入ったまま…


でも、これだと重くて荷物になるから、待ち合わせしないで夕空の家に直接行こう…


それなら重くないし、迷惑がかからないよね?




< 247 / 283 >

この作品をシェア

pagetop