あなただけを、愛してる。
「…唯子ってさ、恋愛っ気全然ないよね。かわいいのに。」
「え?」
「まだ24歳で独身じゃん?恋愛なんて唯子の顔だったら当たり前にしててもいーとかふと思ってね。」
「突然、何言ってるの。」
小さく笑った私。
「笑い事じゃないよ。」
さっきからおかしなことを真剣に訴えてくる同僚の南由奈。
同い年で同期の彼女、おまけに部署も同じだから会社で一番の親友。
「私の心配なんてしてないで自分の心配しなさい。それに私は由奈が思ってるほどかわいい子じゃないから。」
そう、私なんかより由奈のほうがよっぽど可愛いし…
私の心は醜い。
婚約者のいる彼を独り占めしたい、なんて。
とてもかわいー子が思うようなことではない。