Tokyo Dark Side
奴らの首は俺がとる
よく焼いた特上カルビを頬張る。

鬼首は満足そうに咀嚼し、飲み込んだ。

「美味い。久し振りの焼肉は堪らねぇな」

「……」

その様子を、亮二と松岡は無言のままで見ている。

無論、箸を付ける事はない。

「何遠慮してんだ。お前らも食え。俺の出所祝いだからって、お前らが食っちゃいけねぇ訳じゃねぇ」

顎をしゃくって促す鬼首。

しかし、亮二達は微動だにしない。

伊庭にいたっては、焼肉屋に入ってすらいない。

「まぁアイツはまるで忍者のコスプレだからな。入って来辛いだろうけどよ」

そう言って鬼首は白飯を掻き込んだ。

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