Tokyo Dark Side
探偵事務所に寝泊まりしているメンバー、警備人員、その時間帯。

知らず知らずのうちに、環は随分とカジモトに話してしまっていた。

「巽さんに怒られちゃうかな。カジモトさんって話し易いから、つい色々喋っちゃうんですよね」

そう言ってペロッと舌を出す環。

「そうですか、そう言ってもらえると嬉しいです」

真っ直ぐ前を向いて運転しながら、カジモトは言う。

車はテレビ局に向かう道を逸れ、どんどん遠ざかっていっている。

話に夢中になっている環は、その事に気付いていない。

「カジモトさんって温厚ですよね、見かけによらず」

「見かけによらず?」

「はい、だって…」

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