Tokyo Dark Side
自身の仇敵である野獣達を、亮二達が横取りしたとしたら。

鬼首は悔しがるだろうか。

知った事ではない。

自分達は鬼首に与えられた任務を遂行するだけ。

その過程で野獣達が邪魔になったというのならば、それは仕方のない事だ。

それに…。

亮二達もまた、野獣達には因縁がある。

何度も交戦しておきながら、決着の付けられなかった相手。

彼らを自らの手で殺したいのは、鬼首だけではないのだ。

獲物を目の前にぶら下げられながら、飼い主の意を汲んで手を出さない。

それが出来るほど、亮二達は忠犬ではない。

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