Tokyo Dark Side
この探偵事務所の主、蓮杖 耕介。

彼は暗殺者がこの事務所にやって来る事を予見していた。

「環が狙われてんだろ?ここに何れ来る事は、馬鹿でも予想できらぁ」

そう言ってニヤリと笑う耕介。

「……」

無言無表情のまま、伊庭は視線を走らせる。

「無駄無駄。ここには俺以外誰もいねぇよ」

耕介は言った。

当然だ。

狙われるのが分かっていて、標的を一所に置いておく筈がない。

ならばここで時間を食うのは、まさしく無駄。

早々にここを出て、環の行方を探さなければならない。

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