Tokyo Dark Side
蓮杖探偵事務所騒乱
「はぁ~ん?」

耕介がデスクで耳を穿る。

「…もう少し興味を持って下さい」

雛罌粟はジト目で耕介を睨んだ。

雛罌粟がマハルーチカの象男に襲われ、探偵事務所に戻ってきた。

首には包帯。

年頃の娘が縊溝を残したままなのは、人目も気になるだろうと、美奈が気を利かせてくれたものだ。

「最近は首絞めプレイってのも流行ってるっていうしな」

「プレイとかじゃないし…」

イマイチ心配してくれない耕介に業を煮やしたのか、雛罌粟は包帯を取って見せた。

生々しい、指の痕…。

「派手にやられたな…警察時代に見た、縊死死体を思い出すぜ」

雛罌粟の白い首筋に、そっと触れる耕介。

指は、首筋から喉仏、そして鎖骨をなぞる。

「…ぁ…」

小さく声を上げる雛罌粟。

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