黒猫と黒の騎士
「あら、私はまだ立派ではないのね」

「さっきまで駄々をこねながら泣いていた人が何を言うかと思えば」

クスクスと笑うメアに少しムッとした。
それなら私も言ってやろう。

「そうね、私なんて目元を真っ赤にしているメイドに比べたらまだまだね」

「なっ!?な、な、何を言ってるのですか!これはそのさっき欠伸をしたのでそのせいです!」

「この状況で欠伸ができるなんてずいぶんと図太いメイドね」

今度はこちらがクスクスと笑う番だった。

メアは耳まで真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。

「…それなら、白夜にも色々教えてもらわないとね」

「…そうですね」

メアは優しく微笑みながらそう答えた。
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