全てをくれたあなたに

初めての学校


暑さで目が覚めた。





『うー、暑い・・・』





唸りながら目を開けると、視界いっぱいに龍二の寝顔があった。





『わっ、ル、ルナ・・・』





近い距離に戸惑い、ルナに助けを求める。





私の後ろで寝ていたルナは長い尻尾を私に巻き付けて自分の方へ引き寄せる。




私の体が龍二から離れてほっとした瞬間、私はまた龍二の腕の中にいた。





『え、りゅ、龍二、起きて。』





取り敢えず話して欲しくてペチペチと龍二の頬を叩く。





「ん、黙ってろ・・・」





抵抗も虚しく、更に引き寄せられる始末。





どうやってこの腕を離そうか、と考えていると、





――バン!!





と大きな音を立ててドアが開いた。






突然の音にルナは全身の毛を逆立てて唸り、龍二は私の体をすっぽりと覆った。
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