全てをくれたあなたに
色々な出会い


ふわふわ、ゆらゆら。




体が心地よいリズムで揺れる。





すると急にリズムが途絶え、変わりにふわふわとした何かに包み込まれた。





同時に真っ白だった世界に映像が現れる。





私はいつの間にか今までのような小さな真っ白な部屋にいた。





目の前には幼い少女がいて、窓すらないこの部屋に不安と怯えを目に表している。





「おかあさま、わたしはいつまでここにいなければならないのですか?」





幼さゆえに少し舌っ足らずな感じがするが、年齢にそぐわない丁寧な言葉遣いで私の隣にいる女性に話しかける。






大きな黒目をうるうるとさせる少女に、




「あなたにそんな事を言っている暇はないはずよ?
あの人のためにあなたは優秀な子どもにならなければならないの。」





分かるわよね?と優しさの欠片もなく吐き捨てるように言う女性。





「・・・はい。」





縋るようだった少女の黒い瞳は生気をなくし、何もかも諦めたように黒く闇に染まっていく。





その色が自分の瞳の色と同じような気がしてどくん、と心臓が嫌な音を立てた。
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