ヤンデレ～禁断恋愛～

「…やめてくれ。」

お願いだから、思い出させないでくれ。
幸せな今、日和がもう死んでいるなんて考えたくないんだ。

僕のことを考えていた？

奇遇…僕だって日和の事を…！
「喋り過ぎたかな？チズルの悪い癖だ。じゃあね。」

チズルはニコニコして教卓を見つめていた。どこか、怪しげな笑みを残して。



「あっ、ヒビヤ！なにしてんの？」

「おばさんだ。」

「誰が！(怒)」

「ん、何でもねぇよ。」

「ふぅーん…？もしかしてぇ…？？」

「バッ、バカ！僕はそんなんじゃ…あぁ、もう僕いくから！」

「なんにもいってないのに…まぁ前に進めてるしいいか…」

なんなんだ、あのおばさん！余計なことばっかりいいやがって。
僕が何をしたって…言うんだ…

『好きなんだよ。』

え？これは誰の声…？

フッと脳内に現れてはすぐに消えたこの声の持ち主をもうすぐで僕は知ることになる。


「ごめんねー…忙しいのにね！夏だし…暑かったわよね？これ、アイスなんだけど手作りなのよ。美味しい？」

「ん…桃ですか？」

「そうよ！うちの旦那は…あぁ雅樹は分からなかったけどね？」

「美味しい。」

「よかった…それでね、嬉しいお知らせなのよ。」

嬉しい？なんなんだろう。
ドキドキと高鳴る胸を押さえてじっと目を彼女に向けた。

「あかちゃんができたのよ。だから引っ越すことに…」