無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
仕事の話ならいくらでも返すことが出来るが、この手の話は悩ましい。
自分のプライベートについての質問は、全てに答えたくないというのが本音である。
言葉の流れからして恋人がいるのかと聞かれるのかもしれないが、
もし自分がいると答えても、いないと答えたとしても、
一階の受付嬢までこの話がたどり着く頃には山のような尾ひれがつくことだろう……。
そもそもが、だ。
こんな時間に、
こんなところで、
こんな質問をされる自分が、ひどく哀れに思えてくる。
そんなことを思いながら、
結局鈴木は何も答えず、困ったように少し首を傾げて薄く微笑んだ。
「あ! ご…ごめんなさい、私ったら変なことを聞いて
気にしないで」
頬を赤くした同僚秘書は、自分で結論を出し慌ただしくその場を離れた。