無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 ユキには言っていないが、陽菜乃は木村に抗議したことがあった。


『木村くん、青木のお嬢さまが目的でユキに近づいたの?』


 自嘲気味に笑った木村は、


『そんなはずないだろう? ただ、ユキよりも

 青木のお嬢さまが可愛いなぁと思っただけさ』


 そんな風にのうのうと言ってのけた。



 それを聞いた陽菜乃は怒る気力も失せた。

 この男には何を言っても無駄だし、ユキは早く気づいてよかったのだと。


 だからこそ陽菜乃にとってもユキに言い寄る男が

”腹黒い男”かどうかは何よりも気掛かりなことなのである。
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