無垢なメイドはクールな彼に溺愛される


 青木邸の前でタクシーを降りた。


 崎田ではないが、屈強そうな男が顔を出す。



「どちらさまでしょうか お約束は?」



――さて、何て言ったものか

 RR RR

 ポケットの中のスマートフォンが揺れて、表示された見かけない番号の電話に出ると

『宙さん』

「ユキ?」


『あの…… 私、あなたを誤解してました あの…』

「―― そうですか

 実は今、青木邸の門の前で警備員に睨まれているのですが

 どうしたらいいでしょう」

『え!? す、すぐ行きますっ!』




 それから数えること 10秒



 ゆっくりと門が開き、

 ユキが走ってくるのが見えた。




 メイド服の彼女は、満面の笑みで手を振りながら走ってくる……。




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