斜めからキミをみていた
タイトル未編集
2月14日
目覚まし時計の音にうっすらと目を開ける

カーテンの隙間からどんよりとした曇り空が私のベッドを覗いていた

重い…まぶたが。

きのうあったいろんな事が蘇ってきた



「朝山、最近キモくね?」

友達とまではいかないけど、教室内で近くにいたらまあしゃべる程度の子が話しかけてきた。

「朝山くんが…どうかしたの?」
「ほらぁ、朝山ってさ、咲の事好きじゃん?わざわざ教室に咲が一人っきりになるとき見計らって、可愛いねとか話しかけてるらしいよ〜」
「…」
「まじセクハラの域だわ。ありえないっしょ。咲がかわいそう。…って聞いてる?」

突然の失恋だった。
こんな形で、こんなタイミングで知るなんて。せめて、告白くらいはしたかった。
確かに咲ちゃんはクラスの男子の中でもマドンナ的な存在で、でも女子にも好かれるような、そんな感じの子だった。持ってる文房具も、友達に対する言葉遣いも、ふとした時見せる仕草も、可愛らしい雰囲気も、女の子の鏡だった。
でも朝山くんは…私にも咲ちゃんと同じ笑顔で笑いかけてくれてると思ってた…

「あやのー?朝ごはんできたよー」

階下から聞こえるいつもと変わらないお母さんの声に、私は我に返った。
そっか。私が失恋しても、お母さんは、朝山くんは、この町全体は、いつも通りの朝を迎えているんだ。

私だけ、一人じゃないけど、ひとりぼっちなんだな…

朝ごはんを食べて、身支度を整えて、私は、朝山くんのいる学校へ出発した。


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