臆病者の偶像
生かされる日々
 今日も朝が訪れた。絶望しか感じることのできない朝が。陽の光が射しこむ。

枕元で目覚まし時計がけたたましく鳴り響く。ゆっくりとそれを止める。

しかし、なかなか身体は起き上がろうとはしない。心が拒んでいるのだ。そして、心の中で叫ぶ―

――死にたい

と。

 しかし、私は根っからの小心者だ。臆病者なのだ。

死にたくても死ぬ"勇気"すら持てず、俺はずっと生かされ続けてきた。

――俺は、生きてない

 昔からそうだった。何をするにしても中途半端で、周りからはいつも馬鹿にされてきた。落ちこぼれだった。

小中とイジメられて不登校になり、中学時代なんかはまともな授業を受けたことがない。だから、学もない。そんなんだから高校も馬鹿校にしか行けなかった。

そんな俺でも就職はできるんだから、世の中というものは案外なんとかなるものである。

 そんな俺がうつ病になったのは1年半くらい前のことだった。

今年に入ってからは特に症状が酷い。最近では自律神経失調症まで併発したもんだから厄介な話である。

一時期では、仕事を約1ヶ月という長い休職を初めて経験することになるまでに症状が悪化した。
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