SECRET COCKTAIL


違うのに。


違うんだ。



雅君の過去を否定してる訳じゃない。


雅君が、今まで生きて来た過程を、否定したい訳じゃない。



ただ悔しいだけなのに。


あんな悲しい出来事さえなければ、雅君が立ち入る事のなかった世界だと未だに思わざるを得なくて。

それを考えると、時々堪らなく悔しい気持ちになる。



でも、今の雅君があるのは、過去の出来事を乗り越えたからだという事も分かっている。


初めから望んだ世界でなくても、新しい環境の中で自分に出来る事を身に付けて。

そこで新しく自分の道を見つけて、ここまで努力してきたのだという事も。




それでもミヤビと呼ばれる度に、雅君が穢されてしまうように感じるのは。

やはり私が、過去の雅君を受け入れられていない、という事になるのだろうか。






そんな私の心の中を見透かされたような気がして、胸が小さく痛んだ。












~ベルベット・ハンマー~
(今宵もあなたを想う)

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