強引な彼の求愛宣言!




「武藤さんは……私のこと、いつすきになってくれたんですか?」



たっぷり時間をかけた逢瀬の後、気を失うように眠ってしまった私が次に目覚めたときには、彼のあたたかい腕の中だった。

カーテンの隙間から見える外がうっすら白み始めている。今日は土曜日だからあせる必要はないけど、状況が状況だから恥ずかしい。


そうやって縮こまっていると後から目覚めた彼に「おはよう」と声をかけられたから、挨拶を返しながら気になっていたことを訊ねてみた。



「ん? 最初から」

「……さいしょから?」



寝起きとは思えないさわやかな笑顔を向けられ、まだぼんやりしている私は目をしばたかせる。

……最初、って、居酒屋で松岡さんと飲んだとき?

でも私、全然気に入ってもらえるような心当たりないんだけど。


ハッキリしない頭で考えをめぐらせていると、ふと自分の身体に違和感を覚える。

私を抱きしめる武藤さんの手が、下着しか身につけていない私の身体をまさぐっていた。



「ま……っ待って、んっ、え?!」



ちょっとイタズラ、って感じじゃない。それはもう、間違いなく“そういうつもり”を含んだ触れ方で。

思わず胸を押し返そうとする私に、彼はにこりと笑ってみせた。



「なんで? したい」

「……ッ、」



恥ずかしげもなくどストレートに口にされ、顔が熱くなる。



「し、しません! こんな、あ、明るいのにっ」

「知ってる? 起き抜けにする方が、体温高くて気持ちいいらしいよ」

「も……っなんで、そういうことを……!」



つーっと、彼の大きな手が背骨のラインをなぞった。

その感触に思わず背を反らせてあごを上げれば、好都合とばかりにキスが降ってくる。



「麻智。……いい子だから、ね」



耳元に移動したくちびるが、たっぷりの甘さを含んだ声を脳内に流し込んで。

それだけで私は、簡単に陥落させられてしまうのだ。



「……はい」




もうきっと、一生離れられない。


あなたの声は、甘くてキケンな恋の媚薬。










/END
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