その手をぎゅっと、離さないで


なんやかんや言ってもう秋だ。

冬休み前だから皆、最後くらいはと頑張って授業を受けている。


そして、光輝が浮気をしてるんじゃないかと疑ってから一ヶ月。

相変わらず毎週日曜日はいない。

『どこに行くの?』

『何してるの?』

って聞きたい。

でも、''おもい''って思われたくないし。

あっ、バイトかな!?

それならしょうがない。

あぁ、でもなぁ…。

やっぱり考え出したらきりがない。

はぁ…。

最近ため息が増えたかな…。


「どうした?」

あ、そうだった。

光輝が近くにいたんだった。

光輝っていつもタイミングがいいんだか悪いんだか…。

「いや、勉強大変だなって~。アハハ~」

「そうかそうか。冬休み明けすぐだもんな?
頑張れよっ!!」

笑顔引きつってないかな?

そう思ったけど、うまく誤魔化せたようだ。


勉強も大変だしな…。

私は推薦をもらえたからその大学に受かれば、後の高校生活を安心して送れる。
< 186 / 195 >

この作品をシェア

pagetop