その手をぎゅっと、離さないで

稚菜side




「今日の雪かき、ほんっと!疲れた!
氷かたいから腕痛いよ〜!!」

「…」

「ん?ねーえー!稚菜聞いてる?」




「……桜華。今日、部活の時になんかされた
でしょ」



桜華は嫌なことがあるとあえてテンション高く振舞ってくるからすぐにわかるよ。


「…なにもされてないよ!」


「……教えてよ」

「…」

「桜華!教えてよ!」


ためらいながらも全部話してくれた。

そんなことがあったなんて…。


やっぱあの時一緒に行くべきだった。




「…ごめん。アタシのせいで。
アタシが一緒に行ってたらちょっと変わっ
てたかも知れないのに…。」



桜華はいつも1人で抱え込む。

いつも自分がやられると、
いつも自分が全部悪いって、
いつも自分のせいにする。

私がなんか言われても、
いつも''私が悪いから''って、
いつも自分のせいにして、
いつも1人で抱え込む。



アタシ、そんなに頼りないかな…。





「ううん、いいの。
私も、話せなくてごめんね。」


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