その手をぎゅっと、離さないで



あれからは3日…
何もされていない。

不思議なほどに何もされない。

稚菜と私はずっとおかしいと思っていた。

「桜華、念のためアタシとずっといてね?
いつまた何されるかわかんないし」


稚菜がいてくれれば本当に心強い。

私が何をされても稚菜は私の見方でいてくれている…

「桜華は間違ってない」って必ずといっていいほど言ってくれる。

最近、何もされていないからって油断はできない。



この間みたいにあんな目にはあいたくない…




不安がよぎる日々ももう残り2日。

今日は二学期最後の部活だ。




「桜華っ!
待っててもいいかな?」

「もっちろ〜ん☆
全然大丈夫だよっ!」





今日も稚菜と帰ることになった。

こうして稚菜と帰れるのもあと2日…

稚菜がいなくなったら私…どうなっちゃうんだろう。





「おーい、柳下!
ハードルだすん手伝ってくれへんか〜?」

「はーい、今行くね〜」
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