その手をぎゅっと、離さないで

稚菜side



明日は終業式だけど桜華の部活が忙しいらしくって二人で、最後の帰り道になるかもしれない…。

そんな日に愛花姫たちはアタシたちに謝ってきた。

桜華は歩くのがはやい方。
だけど今日はいつもの何倍も遅い。

そして無言。

「わ、稚菜…。
アレ、本当に終わったってことかな?」


やっぱり不安だよね。
三学期からはアタシいなくなるもん。

桜華は誰にでも優しいからクラスで喋る人はたくさんいる。
だけど、相談しあえる人はクラス内じゃアタシくらいしかいないだろう。



「…桜華なら大丈夫だよ!
もしなにかされたら即電話かけてよ〜!?」


桜華がこんな時にはテンションあげてあげないと…

桜華、いつも引きずるから…。


あ、アタシは重大なことを思い出した。



「あとね桜華、アタシ話してないことあった」

「あ〜、光輝のことですよねっ!?」




あ、確かにそれもあったけど今はそんなことどうでもよかった。

絶対当たったって顔をしている桜華にはちょっと申し訳ないけど…(笑)



「もっと大事、楓華ちゃんの話…。」
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