秘密の契約
~~~~♪


千波だ。


「千波くん……」


『電車の中、大丈夫だった?』


「うん いつも乗っているんだよ?大丈夫だよ」


『明日の夜、会おう 実家に泊まるからゆっくり出来る』


「うん ありがとう」


電話を切ってから無理をさせてしまったと日菜は後悔した。



気を使わせたくないのに結果的には気を使わせてしまっている。


その夜、携帯が鳴った。


知らない番号だ。


出ようか迷ってやっと出ると十和子さんだった。


『ずいぶん子供っぽい事をするのね?そんなに千波さんの気を引きたいのかしら?』


「子供っぽいって……?」


千波くんに迷惑をかけないように帰ったのに……。


『貴方がいなくなった時の彼はひどい慌てようだったわ 打ち合わせも中断してしまうし』


「す、すみません……」


『社会人の彼では貴方には難しいのではなくて?身勝手な高校生に付き合えるほど彼は暇じゃないのよ?』


身勝手と言われて胸にズキンと来た。


答えに困っていると電話が切れた。


千波くん……。




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