秘密の契約
「何か心配事でもあるの？そう言えばなぜ会社に来たのか聞いていなかったね？」


「会社に行ったのは夏葉さんが家元の家を出たって言いたかったから」


本当はそれだけではない。


千波くんの携帯に出た女の人の事が気になったからだ。


みんなは十和子先輩って言ってたから千波くんよりも年上のきれいな人。


偶然にも電話の声の女の人を見てしまい驚いた。


すごくきれいな人。


バリバリと仕事をこなしていて自信に満ち溢れ何でも思い通りに周りを動かせる人みたいな印象を日菜は受けた。



「夏葉さんは良い選択をしたと思う　これで跡継ぎの呪縛から逃れて好きな人生を送れるだろう」


千波がうれしそうな表情を見せた。



「千波くんも……跡継ぎの立場……嫌なの？」


夏葉さんが羨ましく聞こえた日菜は口に出して聞いていた。




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