秘密の契約

クリスマス・パーティー

3人が戻った時も日菜は眠っていた。


ベッドの横に立つと日菜は気配を感じて目を開けた。


「日菜、よく眠れた?」


梨絵がにっこり微笑んで聞く。


「え……今何時?」


さっき滑りに行ったばかりだと思ったのにもういるので日菜はポカンとしてみている。


「もうあれから3時間経ったよ」


「そ……う……なんだ……そうだ、梨絵ちゃん滑れた?」


寝起きのせいでぼんやりしている。


「すごくきれいな雪で滑りやすかったよ~ ゲレンデに大きなクリスマスツリーがあるの あとで行ってみようね」


日菜はもそっと起き上がって梨絵がベッドの端に座るのを見ていた。


「日菜、元気出して 今日はクリスマス・イブなんだよ うまく行くって」


梨絵が落ち込んでいる様子の日菜に言う。


「ん……」


「朝倉くんと愛もなんだかんだ言いながら良い雰囲気なんだよね~」


独り者はあたしだけか~などとぼやいている梨絵を見て日菜はクスッと笑った。




< 614 / 684 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop