君は誰よりも強い
式典
ごめん、の三文字で、私はあのノートの持ち主がわかってしまった。
だけど彼は、今日は学校に来てるのか。
「卒業式とか、一番行きたくないな」
と、いつしかほざいていたあいつを覚えている。

みんな普段と変わりなく喋っている。
昨日のテレビの話。好きな人の話。
だけど、卒業式が終わったら、みんな泣くのだろう。

私はどう頑張っても泣ける気がしない。

「お前、意外と冷たいんだな」
また彼の言葉を思い出した。
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