恋の後味はとびきり甘く
 静かに閉まったドアを見ているうちに、顔から力が抜けて頬がだらしなく緩んでいく。

 涼介くんと水族館だなんて! どうしよう、顔がにやけて止まらない。とびきりのご褒美みたいだ。

 昨日涼介くんが『鈴音さんもたまには自分にご褒美をあげてくださいね』って言ってくれた。勝手にご褒美だと思うくらいならいいよね?

 ご褒美、という響きがとてもステキに聞こえる。

 そういえば涼介くんが、モン・トレゾーのチョコレートをご褒美に食べてるクラスメイトがいるって言ってたっけ……。

 うちのチョコレートをご褒美に。

 どうして今まで思いつかなかったんだろう。

 その日私は、モン・トレゾーの一角にプチプライスのチョコレートを集めたコーナーを作り、『がんばっているあの人へ! 私へ! プチプラ・ご褒美チョコレート』と書いたポップを立てた。 
< 44 / 166 >

この作品をシェア

pagetop