王子の初恋は私な訳ない
キーンコーンカーンコーン♪

「飯だー!行くぞヤスー!」
そう言ってシゲヤスは早々に購買へ向かった。
「愛理今日お弁当ー?」
そう言って澪ちゃんは野菜スティックをボリボリしていた。
澪ちゃんが野菜以外のものを食べてる所を見たことがない。
「ダイエットってか...単純に野菜が好きなだけ。」
ということらしい。
「うん!ちゃんとお弁当作ってきたよー!」
と、大きい弁当を取り出す。
「なりたん凄ーい♪」
そういうももりんのお弁当はピンクで小さい。
そんなの、私の1口サイズじゃい!
ふと右をチラッとみたが、王子はまだ机に突っ伏したまんまだった。

...昨日の事といい、今日の朝といい
もうどうすれば良いか分からないしドキドキが止まらない。
あー、あの腕に...
「ぬぉぉおぉぉ...!!!」
頭が爆発しかけ両手で頭を抱え込む。
「...また始まったよこの馬鹿」
「なりたんは本当見てて飽きないですね♪」

「成田先輩ー!!!!!」
いきなりとても可愛い声で呼ばれた。
ふと顔を上げて廊下を見ると今朝の子が居た。
「あ!今朝の!どうしたの?」
そう言いながら立ち上がった。
「あ♪噂の子ですね♪」
「王子〜ライバルだぞ〜」
王子は顔をあげて廊下に目をやった。
「んでさ〜」
「え、まじそうなん!?ギャッハハハハ!!!」
シゲヤスの声が廊下から聞こえた。
笑い方に特徴あるからどこに居ても分かる。
「あれ?誰この子」
シゲがそう言うと
「あ!えと!私工藤柚季と申します!」
柚季はペコッとお辞儀をした。
シゲヤスも少し頭下げて教室に入ってきた。
「成田先輩!!」
「え?あ、はい。」
足早に廊下に向かう。
「成田先輩の事、やっぱり好きです!男とか、女とか、そんなの関係ありません!付き合ってください!!!」
彼女の言葉に教室の時が止まった。
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