キミに恋の残業を命ずる
「こっち、野菜足りないからもってきてー!」

「こっちは肉―っ」

『はーい!』


結果、鍋パーティーは大盛況だった。

食材が飛ぶように無くなって、各鍋を置いたテーブルはどこも人で一杯。
普段交流がない部署の人たちも鍋を囲んで会話を弾ませて大賑わい。そしてわたしたちは大忙しだった



「おつかれさまー!」

「おつかれん、亜海ちゃん」


談笑で一杯のエントランスホールを見回しながら一息ついていたわたしに声をかけてくれたのは、今日手伝ってくれた営業事務の麻美さんと涼子さんだ。


「みんなすーっごく楽しんでて美味しいって喜んでるよ!」

「いつもは嫌々来ていた懇親会だけど、今日は来て良かったぁって。おめでとう亜海ちゃん、ほんっとによくやったねぇ」


わたしは顔を赤らめながら首を振った。


「いえ、これも麻美さんや涼子さんたちが助けてくださったおかげです。朝の準備が一番ネックだったんですけど手伝っていただいてホントに助かりました。ありがとうございました」

「って、そんな大げさに言わないでよー!わたしたちも十分楽しんでるし!おかげで憧れだった人事課の田代さんのメアドもゲットできちゃったし!!」

「わたしはぁ、メアド聞かれちゃったしぃ」

「なによ麻美、それ自慢!?」

「自慢でぇーす」
< 153 / 274 >

この作品をシェア

pagetop